和栗のこと

栗を育て、加工し、お菓子にしている城川ファクトリーが、和栗について知っていることをまとめています。

情報提供:株式会社城川ファクトリー(城川自然農場)/最終更新:

和栗とはどんな栗ですか?

日本の栗=和栗は、野生に自生していた「芝グリ」という小粒の栗を改良に改良を重ねて、今の秋の味覚には欠かせない立派な栗になりました。栗は縄文時代から食べられてきたといわれ、日本の食とのつながりがとても古い果樹です。

渋皮
果実とぴったりくっついているため、むきにくいのが和栗の特徴です。
味と風味
水分が多いため甘味は控えめですが、あくが少なく風味が良いのが特徴です。
香り
栗ご飯のあの良い香りは和栗ならでは。サツマイモにも含まれるメチオナールや、甘い香りのフラノンという成分によるものです。

和栗にはどんな品種があり、いつ収穫されますか?

和栗の品種は数十種類にのぼり、収穫の早い順に「早生(わせ)」「中生(なかて)」「晩生(おくて)」に分けられます。城川では、早生品種に加えて銀寄・利平・筑波・石鎚・岸根を扱っており、収穫時期が少しずつ異なるため、長い期間にわたって栗を収穫できます。

収穫時期は主に育成地(関東など)での目安です。年や地域によって前後します。城川 は城川で扱っている品種です。

品種収穫時期の目安特徴
早生(わせ)
えな宝来8月下旬〜岐阜県が育成した極早生品種。「丹沢」よりも早く収穫できます。
ぽろすけぽろたんの約1週間前2016年に農研機構が公表。渋皮がむきやすい和栗で、「ぽろたん」と互いに受粉樹として使えます。
丹沢8月下旬〜9月上旬1959年公表、「乙宗」×「豊多摩早生」。多収で、甘味と香りはやや控えめながら、早生種として品質に優れます。
伊吹9月上旬〜中旬1959年公表。双子果や裂果が少なく、品質に優れます。
ぽろたん9月上旬〜中旬2006年に農研機構が公表。和栗の弱点だった渋皮のむきにくさを克服した品種。果肉は黄色でやや粉質、香りが豊かです。
国見丹沢と筑波の間1981年公表。30g前後の大粒で、害虫クリタマバチに抵抗性があります。
森早生早生古い早生品種「豊多摩早生」の流れをくむ品種です。
中生(なかて)
紫峰9月中旬〜下旬1992年公表。多収で、クリタマバチに強い抵抗性があります。
筑波城川9月下旬1959年公表、「岸根」×「はやたま」。国内で最も広く栽培されている品種で、多収かつ品質が極めて優良です。
銀寄城川9月下旬〜10月上旬大阪府能勢地方に江戸時代から伝わる品種で、丹波栗の代表格。平均20〜25gの大粒でつやがあります。高値で取引され「銀を寄せる」ことが名前の由来とされます。
利平城川9月上旬〜10月上旬岐阜県山県市(旧大桑村)で、中国の栗と日本の栗をかけ合わせて生まれた品種。大粒で甘味が強く「栗の王様」とも呼ばれます。名前は育成した土田家に伝わる「利平治」に由来します。
赤中中生大粒の中生品種で、愛媛県を代表する品種のひとつとされます。
晩生(おくて)
秋峰筑波と石鎚の間2002年公表。実が詰まって比重が大きく、甘味が多く果肉の色も優れます。
美玖里筑波の後2009年に農研機構が公表。約28gの大粒。果肉は黄色で粉質、甘味と香りが豊かです。
石鎚城川10月上旬1968年公表。多収でクリタマバチに抵抗性があり、果実の品質も優良です。
岸根城川10月中旬〜下旬和栗の中でも最大級の極大粒。山口県の岸根(がんね)地区に由来する名とされます。貯蔵性が高く、風にも強い品種です。

出典(内容は要約しています)

愛媛県は栗の産地ですか?

はい。愛媛と聞くと柑橘のイメージが強いですが、愛媛県は日本有数の和栗産地です。農林水産省の統計によると、2024年(令和6年産)の愛媛県の栗の収穫量は1,350tで、茨城県(3,780t)、熊本県(1,640t)に次いで全国3位。全国の収穫量14,000tの約1割を占めています。

出典:農林水産省「令和6年産果樹生産出荷統計」(2025年12月23日公表)

城川の栗はどのように育てられていますか?

ここ城川では、そのほとんどが傾斜地で栽培されており、急斜面を行ったり来たり手作業で収穫します。早朝から夕方まではお構いなしに落ちてくる栗拾いに追われ、夜には大切な選別作業が待っています。条件が厳しい傾斜地だったからこそ、他の作物にとって代わられることなく、味の良い栗になったとも言えます。

剪定作業中の冬の栗の木
栗の木の休眠期である2月頃、念入りに剪定作業を行います。
満開の栗の花
6月、満開の栗の花。

日当たりがよく、水はけのよい土壌。昼夜の寒暖差が激しい山間地で育まれます。ときには台風や干ばつに襲われ、今は強敵の「イノシシ軍団」にもやられます。ただただ真面目に辛抱強く育てています。

城川の栗栽培はどのように始まりましたか?

本格的に栗の栽培が始まったのは、まだまだ田畑の価値が絶大であった時代にさかのぼります。当時、数名の若い農家が貴重な田畑を壊し、新たな取り組みとして栗栽培に着目しました。始めた当初は周りからの奇異の目にさらされたと言います。そんな逆風の中にあっても、果樹試験場などとタッグを組んで根気強く続けた甲斐あって栽培方法が確立でき、栗の産地と言われるまでに成長できたのです。私たち城川ファクトリーにできることは、その先人たちの築かれた「和栗」という財産を、想いを、いろんな形で紡いでいくことだと思っています。

和栗の果肉にはどんな成分が含まれていますか?

松山大学薬学部の天倉吉章教授の研究グループが、愛媛県内産の和栗の果肉を蒸して成分を解析したところ、ポリフェノール類を中心とした約10種類の化合物が確認されました。中でも、緑茶などに含まれるカテキン類に糖(グルコース)が結合した化合物(catechin 7-O-glucoside、epicatechin 7-O-glucoside)が比較的多く含まれ、栗特有のキー化合物として注目されています。

出典:天倉吉章「えひめの栗」(城川ファクトリー旧サイト掲載、2015年)

業務用の和栗ペーストは、どう選べばよいですか?

裏ごしの粗さ(メッシュ)で、仕上がりの食感が変わります。

1mmタイプ
滑らかな舌ざわり。主に洋菓子の素材として、モンブランケーキやソフトクリーム、製菓製パン材料に。
2mmタイプ
粒感が残ることで栗の風味を一段と感じるペースト。主に和菓子の素材として、栗きんとんや栗餡に。

原料は原則として愛媛県産(城川町含む西予市周辺)を使用し、時期や収量による不安定さをなくすため全国の栗も使って安定調達しています。OEMの場合は、産地や品種(銀寄・筑波など)のご相談も承ります。

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